モダンジャズ初期から長く活躍した人気トランペッター、ドナルド・バードの変革期を捉えた貴重な1枚です。1970年に吹き込まれたものでハード・バップからクロスオーバーへと大きく時代が変わる中でバードが新たな音楽を模索しています。メンバーも普段とは違うユニークな組み合わせで、トロンボーンのビル・キャンベル、フルートのエルメート・パスコワール、アルトサックスのジェリー・ドジオン、テナーサックスのフランク・フォスター、ルー・タバキン、バリトンサックスのペッパー・アダムス、デューク・ピアソンのエレピにロン・カーターのベース、ミッキー・ロッカーのドラム、アイアート・モレイラのパーカッションなど多彩な組み合わせとなっています。中南米風や牧歌的な雰囲気にリバースを効かせて響くバードのトランペットはこのアルバムに先立ってリリースされたマイルス・デイビスの歴史的問題作Bitches Brewなどの影響を感じさせる部分があります。今聴くと無国籍でドープなムードが満載でジャズ、レアグルーヴとして聴きごたえ充分ですが発売当時は商業的には評価されなかったようです。この後バードはマイゼル兄弟と組んで大ヒットを連発することになります。 US Original BlueNote BST 84349 stereo Liberty label vangelder ジャケットは経年劣化で擦れ、黄ばみ、傷みがあります。盤は擦り傷が複数目視できますが意外にもノイズは少なくほとんど問題なく聴くことができます。とても高い音圧で迫力あるヴァンゲルダーサウンドです。ほとんど見かけないレコード、探している方はこの機会に是非!